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神経発達症(発達障害)

神経発達症(発達障害)とは、

発達に偏り(=特性)があるため、日常生活で周囲の理解と支援が必要な状態です。


子どもが成長する中で、運動や言語能力、社会性、認知機能など、様々な能力が発達していきます。


能力の発達に偏りがあると、食事や着替えなどの日常生活動作、人とのコミュニケーション、勉強や仕事、集団生活など、年齢ごとに様々な場面で問題が起きやすくなります。

もちろん、特性は誰にでも多少はあります。
また、特性があるからこそ活躍している人もたくさんいます。

ですので、特性=病気、ではなく、特性のために困っている状態を神経発達症(発達障害)と考えます。

 

神経発達症(発達障害)の種類は?

DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル という診断基準では、以下のように分類されています。

・知的能力障害
・コミュニケーション症
・自閉スペクトラム症
・注意欠如・多動症
・限局性学習症
・運動症
・その他

 

 

神経発達症(発達障害)の原因は何ですか?

原因を解明するため、世界中で研究がなされています。

現時点では、人が生まれつき持つ脳の機能の問題(脳機能障害)が有力です。

 

 

どのように診断しますか? 

先に挙げた、診断基準(DSM-5)を使って診断します。

自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症については、それぞれのページに診断基準を載せていますのでご覧ください。


診断する上で大切なことは、特性があるだけでなく、特性によって日常生活で周囲の理解と支援が必要な状態、であることです。


例えば、人とのコミュニケーションが苦手、こだわりが強い、大きな音が苦手、といった特性だけでなく、

特性によって日常生活の困り感が強く、支援が必要な場合、自閉スペクトラム症と診断します。

 

 

どのように治療しますか?

治療の前に、まずは十分にお子さんの状況を把握します。

問診やチェックリストでお子さんの特性を確認し、必要に応じて発達検査を行います。

また、ご家庭や園や学校の状況を確認します。

その上で、お子さんへどのような治療(支援)が必要かを検討します。

 

①環境調整

まず、お子さんの特性をみんなで理解し、成長しやすい環境を整えていきます。


例えば、じっとしていることが苦手な注意欠如・多動症のお子さん。

注意されても授業中に立ち歩いてしまいます。

本人としては、頑張って座っていたいけど、どうしても座っていられず、日常生活に支障をきたしています。


そこで、担任の先生に本人の特性を理解してもらい、動いてもいい状況を作ってもらうことがあります。

授業中ずっと座っていられないので、途中でプリントを配ってもらう、黒板を消してもらう、などの配慮をしてもらいます。

少し動いた後は落ち着くことが多いので、その後、授業に向かうことができれば成功です。

 

このように、特性を理解してもらい、普段の生活を送りやすくすることが環境調整です。

その他にも様々な対応があり、個々の状態に応じて相談します。

 

②お薬を使う

お薬は根本的な治療ではありません。

ただ、日常生活上の困り感を減らすためには有用なことがあります。

そして、よいきっかけになることも多く経験します。


例えば、先ほどのようなじっとしていることが苦手な注意欠如・多動症のお子さん。

日常生活では、失敗や怒られることが多いため、本人は自信をなくしてしまいます。
周囲も怒ってばかりで、余裕がなくなっていることが多くあります。

まずは特性の理解と環境調整ですが、なかなか難しい場合があります。

そんなときに、注意欠如・多動症のお薬を使うことで、本人の動きや衝動性が減り、格段に生活しやすくなることがあります。

また、小児の自閉スペクトラム症の強いかんしゃく(易刺激性)に適応のある薬もあります。


ただし、お薬がお子さんの特性をなくすわけではありません。

環境調整や周囲の働きかけがセットでないと効果が十分に出ません。

お薬によって改善した行動を、周りが認めてあげること、ポジティブな声をかけてあげることが重要です。

 

うまくいくことが増えることで、本人の自信が増し、さらに行動が改善していく、

周りも少し余裕を持つことができる、そんな良いスパイラルに入っていくきっかけに、

お薬はなることがあります。


今後、環境調整やお薬について、もう少し詳しいページを作成して参ります。

 

 

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